轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うつくしいむら

美しい村

堀 辰雄

序曲「大阪朝日新聞」(「山からの手紙」の表題で。)1933(昭和8)年6月25日、美しい村「改造」1933(昭和8)年10月号、夏「文藝春秋」1933(昭和8)年10月号、暗い道「週刊朝日 第25巻第13号」1934(昭和9)年3月18日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,946 字 · 84 页

青空文庫

「そうか」私はわかったような振りをした。「……おとっつあんは何をしているんだ?」

「木樵りだなあ」とこんどはまた兄が弟の方を見い見い言った。

「変なとっつあんだ」弟は顔をしかめながらそれに答えた。

氷倉の蔭から、再びちらりと小娘らしい顔が出たようだったけれど、私たちの方からは丁度逆光線だったので、よくもそれを見分けないうちに、その顔はすぐ引っ込んでしまった。それっきりその小娘は顔を出さなかった。ただ私たちはそれから間もなく異様な叫びを耳にした。それはその小娘が私たちを罵ったのか、それとも私たちには見えぬ小屋の中からその小娘に向ってそれが叫ばれたのか、それとも又、その裏の林のなかで山鳩でも啼いたのだろうか? ともかくも、その得体の知れぬアクセントだけが妙に私の耳にこびりついた。――が、私たちは無言のまま、ただちょっと足を早めながら、その空地を横切って行った。私たちはそれから再び林の中へ這入った。その中へ這入ると急に薄暗くなったようだけれど、私たちの眼底にはいまの空地の明るさがこびりついているせいか、暫らく私たちの周りには一種異様な薄明りが漂っているように見えた。