轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
びみほうだん
美味放談
北大路 魯山人
「星岡」1935(昭和10)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,841 字 · 16 页
すると、かしわの方が鴨より数等美味かったので驚いた。これには鴨を食って損をしたような気がしたね。
だから物は自分で食ってみんことには承知出来ない。ところがだね、いわゆる食通でございと称して食べ物の本などを書いているものに、ろくに食いもしないでものをいっているものが多い。いのししは昔はどうして食ったとか中国ではどういう字を書くとか、そばは何科の植物でどうやって打つとか、いろいろ知ったか振りをしているが、その実そばひとつ真から自分で味わったこともないのである。なんのことはない、そういうものは辞書のうけ売りなんだね。さっきのてんぷらでもそうだ。やれ天金がどうのこうのというから、それでは天金のてんぷらをどれだけ食ったかというと、なにろくに食ってもいない。そのくせ、あそこのてんぷらはかやの油を使うからうまいなどと、もっともらしいことをいう。そんなことをいわれると知らないものは、かやの油というものは高いものなんだ、などと思う。しかるにかやの油なんてものはかえって安いものだ。そうすると、かやの油、かやの油と宣伝して、結局どういうことになるかね……。
だから孔子あたりが昔から、飢餓は食を弁ぜず、食するひとはあれど食を弁ずるひとは少なしなどといっているが、ほんとうだ。