轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
「婦人公論」中央公論社、1957(昭和32)年4~8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,706 字 · 101 页
あんなことをしておくと、なにかはじまりそうな気がするんですが」
「どういう名目でひっぱるんだ? ひっぱったって留めておくことはできないぜ……兄が自殺するというので、おどろいて飛んできた、なんていうだろうし……弟のほうには、いまのところ、共犯だという事実はなにもあがっていない」
「じゃ、女のほうだけでも」
「だめだろうね……相当、こっぴどくやったつもりだが、洒々としていた……それゃ、そうだろう。大池の弟とツルンでロッジに泊りこんだって、とがめられることはないはずだから」
そういうと、クルリと丸山捜査課長のほうへ向きかえた。
「丸山さん、これゃ捜査の対象にならないね。二課はどうするか知らないが、われわれは、明日、引揚げます。書置一本に釣られて、こんな騒ぎをしたと思うと、おさまりかねるんだが、どうしようもないよ」
そこへ本庁の木村刑事が、婦人用のスーツ・ケースをさげてブラリと入ってきた。
「部屋長さん、遅くなりました。ちょっと聞込みをしていたもんだから」
「なんだい、そのスーツ・ケースは」
「これですか。これは宇野久美子の遺留品です」
「そんなもの、どこにあったんだ?」