轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かんぞうせんせい
肝臓先生
「文学界 第四巻第一号」1950(昭和25)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,194 字 · 46 页
ない他国の人が全然タダで部屋をかりているのである。部屋があいているから、タダで貸してやる。無い部屋をムリして貸してやるわけではないからタダだというだけのことで、烏賊虎さんのオカミサンの手がすいている時は部屋の掃除もしてやるし、寝床をしいてやったり、たたんでやったりもしてくれる。ただし、手がすいている時だけ。全然ムダがないだけのことだ。
こんなことを書くと、漁師町のちょッとした善良さを言いはるために、私が途方もない誇張を弄して、架空の善人をデッチあげているように思われるかも知れない。まったく私の友人たちも、烏賊虎さんが風来坊にタダで部屋を貸している話をきいて、それはよッぽど超特別の阿呆だろうと考え、広い世間にそんな人間が一人ぐらいは居ることもあるだろうと渋々承認する程度なのである。漁師町の全部が烏賊虎さんとまったく同じ気分であると云っても信用してくれないのである。しかし私は世間のくだらぬ常識には、こだわらぬことにしよう。
漁師町では俗世の名士や富豪は問題としないけれども、単純に人間族だけで構成されて、特例がないかと云えば、そうでもない。
この漁師町の方言では、偉い、ということを、ヅネエ、という。