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のうめんとしょうえんさんのえ

能面と松園さんの絵

金剛 巌

「國画」1942(昭和17)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,487 字 · 5 页

青空文庫

と言って何度も謡わせまして傾聴して考えていました。これは景年さんが謡曲の謡い方を稽古するのでなくって、その所を絵にする為で、それが景年さんの絵に時々なったのでした。ここで面白いのは景年さんが只その文章の美文だけを読んで絵にするのではなくって、謡という芸になったものを狙ったので、謡曲がその風景を美化して出す、その味を掴んで画にしようとした事です。景年さんの絵については色々と観方もありますが、とにかくこの謡からの取材の仕方が面白いと思われます。それと多少行き方が違うがお能の面を研究して絵画に使う人がある。

松園さんが未だ無鑑査にならない、前の頃だと記憶していますが、出品画などには随分婦人の顔について研究していたらしいので、お能の面についても色々と訊ねられたり又自身で大分研究していた様子でした。下村観山氏はこの能面から画にした人で、観山氏の兄さんに当る人が能面を打っていたが、観山氏は松本金太郎の姻戚になるし、自然この能面に気を寄せたのでしょうが、面を絵画化して〈弱法師〉を描いている。院展に出した維摩を文殊が説きに行く図の維摩の顔の形なり線なりが当時画家や世間の問題になって評判を生んだもので、それがどういう所から考えて描いたかという事を不思議がられ、問題にもなったのでしたが、それは福来石王兵衛の創作になった石王