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しぜんかいのしまもよう

自然界の縞模様

寺田 寅彦

「科学」1933(昭和8)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,541 字 · 23 页

青空文庫

しかし、実験的現象として見た割れ目の現象はなかなか在来の簡単な理論などでは追いつきそうもない複雑多様なものであって、これに関する完全な説明のできる前にはまだまだ非常にたくさんの実験観察ならびにそれからの帰納的要約が行なわれなければならない。そうして新しい「割れ目の方則」が発見されなければならないであろうと想像される。そういう次第であるから、わが国で、鈴木清太郎、藤原咲平、田口三郎、平田森三、西村源六郎、高山威雄諸氏の「割れ目の研究」、またこれに連関した辻二郎君の光弾性的研究や、黒田正夫君のリューダー線の研究、大越諄君の刃物の研究等は、いずれも最も興味ありまた有益なものである。また一方山口珪次君の単晶のすべり面の研究なども合わせて参照さるべきものと思われる。また未発表ではあるが池田芳郎君の注意されたガラス管の内部的歪による破壊の現象などもこの部類に属するもので、そこにもおもしろいわれ目の週期性が現われるのである。子供の遊戯と考えられている「リュプレヒト公子の涙」と称するものもまた同部類の現象で、まじめな研究に値するものであるが、だれも手をつけた人を聞かない。