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ほどう
舗道
宮本 百合子
「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,745 字 · 70 页
ミサ子はしみじみした心持になって云った。
「でも、どっちみち損なのはお互様に女だわ」
「――大経営のところでは辛いったって仕事の上だけでしょう。特等席だわ。……お話しんならない意地のわるいことをするわよ。室んなか両手をコウひろげて追いまわして来てさ」
みどりは仕方をして見せながら真面目な、殆ど腹を立てた少女みたいな口ぶりで云った。
「いつまでもひっぱずしてるところへ人でも来ようものなら、一旦通した十枚ぐらいの書類を『オイ! こりゃ何だ!』って、一字ばっかりの誤字で、ビリビリ目の前で裂いて見せるわ」
「……あなた仲よしってないの?」
ミサ子はみどりが気の毒になってきいた。
「学校が東京じゃなかったし……私たちみたいなのは駄目よ。事務所でだっていつも独りぼっちだし……なお弱い立場なのね」
見栄のないみどりの話をきいているうちに、自然とミサ子の頭の中に××○○会社の女事務員たちがもっている一つの気風みたいなものが思い浮んで来た。
昼休みに、××○○会社の女事務員が三四人ぐらい連れだって丸の内を散歩している。そんなとき、いかにも鮮やかにモダーンな洋装の女事務員や、派手な、例えばみどりみたいな服装をした女事務員たちが、やっぱり休みでブラブラその辺を歩いているのに出会うことがある。