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はんにゃのめん

般若の面

小川 未明

「赤い鳥」1928(昭和3)年11月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,249 字 · 9 页

青空文庫

「いよいよ、このようすだと、二、三日うちには雪になりそうだ。」と、主人は、独り言をしました。

女房は、勝手もとで、用をしていましたが、彼は暗い奥の方をわざわざ向いて、

「晩には、雪が降るかもしれないから、みんな外に出ているものは、取りいれろや。」と、大きな声でいって、注意をしたのでした。

彼は、やがて、女房と二人で、そこそこに夕飯をすましました。ふたたび、仕事場にもどって、鉄槌で、コツコツと赤く焼けた鉄を金床の上でたたいていました。戸の外では、あらしがすさんでいます。彼は、思わず、その手をやめて、あらしの音に聞きとれたのでした。

このとき、戸の外で、だれか呼びかける声がしました。

だれだろう? この暗い、あらしの晩に、しかも、いまごろになって声をかけるのは……と、主人は考えました。きっと、村の人が、なにか用事があっておそくなり、そして、いま帰るのだろう……と、こう思って、彼は、立って雨戸を細めにあけて、のぞいたのです。

戸のすきまから、ランプの光が暗い外へ流れ出ました。そこには、まったく見知らない男が立っていた。主人は、目をみはりました。すると、その男は、