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はなさくしまのはなし

花咲く島の話

小川 未明

「童話」1925(大正14)年1月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,732 字 · 8 页

青空文庫

主人は、この世界の珍しい話や、草花などのようなものを見ることが大好きなのです……。」と、眼鏡屋はいいました。

みんなは、この話をきいて、たいそう興味をもちました。

「温泉があって、果物があって……、ああ、なんといういいところだろう? そんないいところが、この世の中にあるでしょうか?」と、唄うたいは、目をまるくしました。

「眼鏡屋さん、海に近いところですか。その庭園というのは……。」と、宝石商はききました。

眼鏡屋は、さながら、南洋の輝かしい、日の照らす、海原の景色を前に見るように、

「宝石商さん、あなたのお持ちなさるひすいのように、その海の色は、青くうるんでいます。また、真珠のように、真昼には、日光に輝いています。そして、夕暮れは、ちょうど、そのさんごのように夕焼けが彩るのですよ。」といいました。

「ああ、私は、そんなところを、どれほど、探していたでしょう。しかし、私の魔術でも、それを現すだけの力がなかったのです。」と、奇術師はいいました。

あくる日、四人のものは、いっしょになって旅行をしたのでした。それは、眼鏡屋のいった、名もない庭園へいって、そこを自分たちのふるさとにしようという考えからでありました。