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ちゃのゆのてちょう
茶の湯の手帳
伊藤 左千夫
「馬醉木」1906(明治39)年1月、3月、10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,031 字 · 16 页
点である。予は未だ欧洲人に知人もなく、従て彼等の食卓に列した経験もないので其真相を知り居らぬが、種々な方面より知り得たる処では、吾国の茶の湯と其精神酷だ相似たるを発見するのである、それはさもあるべき事であろう、何ぜなれば同じ食事のことであるから其興味的研究の進歩が、遂に或方向に類似の成績を見るに至るは当然の理であるからである、日本の茶の湯はどこまでも賓主的であるが、欧州人のは賓主的にも家庭的にも行はれて甚だ自然である、日本の茶の湯は特別的であるが欧洲人のは日常の風習である、吾々の特に敬服感嘆に堪えないのは其日常の点と家庭的な点にあるのである、
人間の嗜好多端限りなき中にも、食事の趣味程普遍的なものはない、大人も小児も賢者も智者も苟も病気ならざる限り如何なる人と雖も、其興味を頒つことが出来る、此最も普遍的な食事を経とし、それに附加せる各趣味を緯とし、依て以て家庭を統一し社会に和合の道を計るは、真に神の命令と云ってもよいのであろう。殊に欧風の晩食を重ずることは深き意味を有するらしい、日中は男女老幼各其為すべき事を為し、一日の終結として用意ある