轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きのこがり

茸狩り

和辻 哲郎

「思想」1936(昭和11)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,663 字 · 6 页

青空文庫

さまざまの茸の中から特に初茸や黄茸や白茸やしめじ茸などを選び出して彼に示し、彼に味わわせ、またそれらを探し求める情熱と喜びとを彼に伝えたのは、彼の親や仲間たちであった。言いかえれば、社会的に成立している茸の価値を彼は教え込まれたのである。それと同時に彼はまたいずれの茸がより多く尊重せられるかをも仲間たちから学んだ。年長の仲間たちがそれを見いだした時の喜び方で、彼は説明を待つまでもなくそれを心得たのである。

しかしそれは茸の価値が彼の体験でないという意味ではない。教え込まれた茸の価値はいわば彼に探求の目標を与えたのであった。すなわち彼を茸狩りに発足せしめたのであった。それから先の茸との交渉は厳密に彼自身の体験である。茸狩りを始めた子供にとっては、彼の目ざす茸がどれほどの使用価値や交換価値を持つかは、全然問題でない。彼にはただ「探求に価する物」が与えられた。そうして子供は一切を忘れて、この探求に自己を没入するのである。松林の下草の具合、土の感じ、灌木の形などは、この探求の道においてきわめて鋭敏に子供によって観察される。茸の見いだされ得るような場所の感じが、はっきりと子供の心に浮かぶようになる。