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くさはらのゆめ
草原の夢
小川 未明
「教育研究」1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,095 字 · 9 页
「貧乏でも孝ちゃんは、強くないよ。そして、姉さんも、工場へいっていたのが、病気になって帰ってきたのだろう。孝ちゃんは、お母さんを助けて、納豆を売ったり、近所のお使いなどをしていたのに、このごろ、顔つきがわるい。姉さんの病気がうつったのだろうというぜ。もし、それが、ほんとうだったら、かわいそうじゃないか……。」と、私は、いいました。
「ほんとうに、かわいそうだな。」と、正ちゃんも善ちゃんも、急に、しおれたのです。
「僕は、孝ちゃんの背中に、ほくろのあるのを知っているよ。いっしょに、川で泳いだときに見たんだもの……。」と、善ちゃんがいいました。
「僕も知っている。」と、私も、孝ちゃんの背中のほくろを思い出しました。
「悪魔に知れるといけないから、だまっておいで……。」と、正ちゃんがいいました。
三人は、それで、おばさんのいったことがほんとうであってくれればいいという気に、いつしかなったのです。それなら、三人の力で、悪魔を殺して、哀れな孝ちゃんの一家を救ってやりたいという気になったからでした。
「二人の孝ちゃんが、まくらを並べて眠っているんだね。そうしたら、すぐに、二人とも着物を脱がしてみるのだ。