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こうやのよびごえ
荒野の呼び声
山本 政喜
02 解説
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,368 字 · 25 页
ある。そこで、生命はこの広い大地を戦場として、適応のゲイムを重ね、一方に脱落者を生ずると共に、他方には勝利者即ち生存者をだした。次には人間が陽のあたる場所を得んとする自然とのゲイム、それから周囲の生物とのゲイムの結果は、相つぐ勝利によつて人間の事実上の世界支配となつた。人間の世界支配が進むと共に、その人間の間に、人間と人間の間、民族と民族の間、部族と部族の間、群と群の間、各個人と他の凡ての個人の間のゲイムが進行する。
こういう考えからして、若いジャックは、世界が自分に挑戦してくるこの大きなゲイムに参加するためには、先ず第一番に自分の今の苦しい環境を脱せねばならぬと結論した。先ずこの環境を脱して、別の新たな環境に入らねばならぬ。もしおめおめと生れたままの環境に服していたならば、ただの賃銀奴隷、あくせくと働くばかりの人間として終るだろう。
彼の先人アンブローズ・ビアスが言つたことがある――下層階級の者がその艱難と困苦を免れる唯一の方法は、下層階級からはいのぼつて、上流階級に入りこむことである。この考えをジャックは直ちにとつて、自分はよじのぼるのだ、しかもできるだけ早くよじのぼるのだと決心した。