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はなばなしきいちぞく
華々しき一族
森本 薫
「劇作」1935(昭和10)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,204 字 · 94 页
お兄さんったら妾が、そう言ったら直ぐそうかと思っちまうんだもの。妾だって困るじゃないの。
昌允 しかし、出鱈目だと言って怒るわけにもゆかないだろう。
未納 何とか、言いようがあるわ。
昌允 お前がそうだと言えば、そうかと思うより他ないさ。
未納 でも、そう言うこと、有り得ることだと思って?
昌允 有り得ることだ。そう言うことの可能性ってものは、無限大だな、理窟もへったくれもないさ。
未納 そういうものかしら、じゃ、仕方がないわ。
昌允 仕方がない、と言うのは、どう言う意味だ。それは、つまり……まあどうでもいい、俺は……。しまった!
未納 どうしたの。
昌允 つまらんことを、して了ったな、こりゃ。俺は須貝さんに余計なことを言ったよ。言わなきゃ、よかった。
未納 何を言ったの。
昌允 何でもいいさ。お前があの人を好いていると言うことを言ったんだ。
未納 あら!
昌允 ところで、美※(「にんべん+予」、第3水準1-14-11)が、須貝さんを、好きだとすれば、二人の間は……もう俺達じゃァ邪魔の出来ないところ迄来てるかもしれないな。
未納 そうかしら。
昌允 ああ言う女に愛されて、愛し返さない男って、ないよ。