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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
04 飛燕流開祖
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,245 字 · 25 页
これぐらいになると、夜道で、弓の矢で狙われようと、鉄砲のタマがとんでこようと、チョイと身をかわしてしまうなア。だが五寸、一寸五分、七分とヒカリモノの距離をこまかく感じ当てるのは、又、甚しくむずかしいや。ハッハッハ」
こう自慢する。奴めは気どって漢語のようなものを使うのである。
「なんだ。この野郎。みんな江戸の話ばッかしらねッか。この町に来てから本気に誰ッかが見ていた腕前の話がききてもんだわ。一ツも無かろが」
「ハッハ。この土地には気のきいた泥棒一人いねえや。生れた土地へ戻ってきたのが運のつきだな。江戸で目明の鼻介サマと云えば千両役者と同じように女の子が騒いだものだ」
とアゴをなでている。
そこで城下町の町人たちは、高慢チキな鼻介の野郎め、一度ヒドイ目にあわせて鼻を折ってやりたいものだと考えていた。
★
城下町から三里ほど離れたところに由利団右衛門という分限者がいた。どれくらいの大判小判を持っているか見当がつかない。一枚ずつ並べると海を渡って佐渡までとどいて島を七巻きするそうだという話である。代々の殿様は勝手許不如意の時には代々の団右衛門から金をかりる。