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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
02 兆青流開祖
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,007 字 · 25 页
十匹が一とかたまりに、ホラブンめがけて襲いかかろうとする。
「オットット」
ホラブンはヘッピリ腰にモチ竿を犬の方へつきだして、竿の先をチョイ、チョイ、チョイ、とゆさぶりながら、
「チョーセイ。チョーセイ。チョーセイ。チョーセイ」
右にまわし、左にかえし、後へひき、前へだす。モチ竿の尖端が、生あるごとくに、微妙に震動して、何ごとか話しかけているようである。山犬は竿の先に向って吠えるだけで、とびかかることができない。
「ホレ。チョーセイ。チョーセイ。ホレ。チョーセイ。ホレ。チョーセイ。チョーセイ」
十匹の山犬は一様にシッポをたれて、後足の中へシッポをまきこんでしまった。大きな口をあいて、長い舌をだして、苦しそうに息をしている。疲れきった時の様子である。もう吠える力はない。モチ竿の先端を見ている犬の目は、恐怖と、アワレミを乞う断末魔の目である。
「ホレ。チョーセイ。ホレ。チョーセイ。チョーセイ。チョーセイ。チョーセイ」
山犬は一かたまりに口をあけノドをふるわせて、恐怖のあまりに泣きだしそうだ。ホラブンのヘッピリにあやつられつつモチ竿は寸一寸と前進する。犬はジリジリと悲しい息の音をたてながら後退する。