轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あしかり

蘆刈

谷崎 潤一郎

「改造」改造社、1932(昭和7)年11月号、12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,413 字 · 78 页

青空文庫

代りに人なつッこいほほえみをうかべて旅人を迎え入れようとする。ちょっと見ただけではなんでもないが長く立ち止まっているとあたたかい慈母のふところに抱かれたようなやさしい情愛にほだされる。殊にうらさびしいゆうぐれは遠くから手まねきしているようなあの川上の薄靄の中へ吸い込まれてゆきたくなる。それにつけてもゆふべは秋と何思ひけむと後鳥羽院が仰っしゃったようにもしこのゆうぐれが春であってあのおっとりとした山の麓にくれないの霞がたなびき、川の両岸、峰や谷のところどころに桜の花が咲いていたらどんなにかまたあたたかみが加わるであろう。思うに院のおながめになったのはそういうけしきであったに違いない。だがほんとうの優美というものはたしなみの深い都会人でなければ理解できないものであるから平凡のうちにおもむきのある此処の風致もむかしの大宮人の雅懐がなければ詰まらないというのが当然であるかも知れない。わたしはおいおい夕闇の濃くなりつつある堤のうえにたたずんだままやがて川下の方へ眼を移した。そして院が上達部や殿上人と御一緒に水飯を召しあがったという釣殿はどのへんにあった