轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あしかり

蘆刈

谷崎 潤一郎

「改造」改造社、1932(昭和7)年11月号、12月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,413 字 · 78 页

青空文庫

風が身にしみる。わたしは俄かに空腹をおぼえ、月の出を待つあいだに何処かで夕餉をしたためておく必要があることを思って程なく堤の上を街道の方へ引き返した。

もとより気の利いた料理屋などのある町でないのは分っていたから一時のしのぎに体をぬくめさえすればいいのでとある饂飩屋の灯を見つけて酒を二合ばかり飲み狐うどんを二杯たべて出がけにもう一本正宗の罎を熱燗につけさせたのを手に提げながら饂飩屋の亭主がおしえてくれた渡し場へ出る道というのを川原の方へ下って行った。亭主はわたしが月を見るために淀川へ舟を出したいものだがというと、いやそれならば直きこの町のはずれから向う岸の橋本へわたす渡船がござります、渡船とは申しましても川幅が広うござりましてまん中に大きな洲がござりますので、こちらの岸から先ずその洲へわたし、そこからまた別の船に乗り移って向う岸へおわたりになるのですからそのあいだに川のけしきを御覧になってはとそうおしえてくれたのである。橋本には遊廓がござりまして渡し船はちょうどその遊廓のある岸辺に着きますので、夜おそく十時十一時頃までも往来しておりますからお気に召したらいく