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そせい
蘇生
豊島 与志雄
「新小説」1918(大正7)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,974 字 · 31 页
出来るだけ多量に取るようにと看護婦は云ったが、嘔気がしてそれ以上は食せなかった。
「でもまあこれだけ召上れば……。」と云って婆さんは、室の中をうろうろしていた。然し何も彼女の片付けるようなものはなかった。
食物を取ると、敬助は急に嗜眠を覚えた。そしていつのまにか力無い眠りに陥っていった。
眠りの中に彼はこういうことを感じた。……高橋と斎藤とが室の入口に坐っていた。中西が彼等と何か話をしていた。言葉は少しも聞き取れなかった。敬助は眼を覚そうとしたが、それが非常に億劫だった。そのうちにも三人は何かしきりに話していた。そして暫くすると、二人は立ち上った。敬助はしきりに気になった。その時、中西が続いて立ち上ったので、彼は何か言葉を発した。然しそれは声になっては出なかった。三人が室の外に出てしまうと、彼は妙に安心を覚えて、またうとうとと眠ってしまった。……
夜になって敬助は眼を覚した。そして昼よりは少し多量に食物を取った。それからまた眠りに陥った。
夜遅く明け方に近い頃敬助はまた眼を覚した。あたりはひっそりとしていた。中西の姿は見えなかった。看護婦は室の片隅に蒲団の中に蹲って眠っていた。