轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょこうのはる
虚構の春
「文学界」1936(昭和11)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,586 字 · 108 页
どうしても君が嫌だと云えば、致し方がないけれども、こういう誤解や邪推に出発したことで君と喧嘩したりするのは、僕は嫌だ。僕が君を侮じょくしたと君は考えたらしいけれど兎に角、僕は君のあの原稿の極端なる軽べつにやられて昨夜は殆んど一睡もしなかった。先日のあの僕の手紙のことに関する誤解は一掃してほしい。そして、原稿も書き直してほしい。これはお願いだ。君はああいうことで(然も、君自身の誤解で)非常に怒ったけれど、そういうことを一々怒っていては、僕など、一日に幾度怒っていなければならぬか、数えあげられるものではない。君が精いっぱいに生きているように、僕だって精いっぱいで生きているのだ。君のこれからのことや、僕のこれからのことや、そういうことは、こんど会った時、話したい。一度、君の病床に訪ねて、いろいろ話したいと思っているのだけれど、僕も大変多忙な上に、少々神経衰弱気味で参っているのだ。正月にでもなったら、ゆっくりお訪ねできることと思う。永野、吉田両君には先夜会った。神経をたかぶらせないでお身お大事に勉強してほしい。社の余暇を盗んで書いたので意を尽せないところが多いだろうが、折り返し、御返事をまちます。