轻松读懂日语经典作品
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くも
蜘蛛
甲賀 三郎
「文学時代」1930(昭和5)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,314 字 · 22 页
それで回転速度をきわめてすくなくした。人は秒針の運動はよく認識することができる。しかし、秒針の運動でもちょっとみた瞬間にはわからないもので、だから人は懐中時計が動いているかどうかを試すときに、眼によらないで耳によるのを普通としている。
分針の運動にいたってはほとんど認識できないといってよい。もっとも時計のおもてには区画があるから、二三分見つめていると、一つの区画に近づくのでやや運動をみとめることができる。区画がなければほとんどわからないであろう。もしそれ時針の運動にいたっては、ぜんぜん認識することができないであろう。そこでおれは回転速度をおおよそ三時間に一回転としてテストをやってみた。結果はきわめて良好だった。
×月×日
おれはまたプランに一つの改良を加えた。最初の考えではおれはSと二人きりで研究室であおうと思っていた。しかし、二人きりではおれがあるいはSを突落したのではないかという疑いをうけるおそれがある。外部に目撃者をおくとすると、研究室の回転を見破られるおそれがある。そのうえおれは夜あたりにだれもいないとき、かつ窓から外のものがみえないときを選ばなければならぬから、目撃者を外におくわけにはいかない。