轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
室生犀星『蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蜜のあわれ、陶古の女人。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,662 字 · 174 页
、それを見ているだけで、一人の人間のいのちがきょうも保たれていることで、その人のよろこびは一概にばかばかしい事には思えない、それは冬も夏もたいてい五時半といえば、寝てはいられないのである。起きて壺のまわりの埃をふきとり、陶器のうえにある昨日の埃をていねいに拭いてやることで、朝のしごとが始められるのである。その時にまたあたらしく置く場所とか座とか飾り工合が修正されている。たとえばどのように優しい物を持って来ても、雲鶴青磁は友を厭い、伴れを拒んでひとりでいたがるのである。昨日はようように絵高麗と仲よくならんでいたものも、今朝見るとならべた方に間ちがいがあって、雲鶴青磁はひとりで超自然の形をとりたがっていることが判り、きのう、ならべて見た間違いを発見するわけであった。これはもはや陶器であるよりも、絶えず一つの威厳と優美をそなえたもの、人間の顔とか、顔の中にある柔しいものを見せてくれるものであって、或る意味では自然にも人間にも見つけられないものを持っていた。こんな言い方は胡麻化しであって悉皆の表現がおよばないようだが、全くそれはすぐれた綺倆をもった女の人に、その類似をもとめてみると楽に現わせるものに思えた、かすかな微笑のようなものである。