轻松读懂日语经典作品
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ちょうのえ
蝶の絵
久生 十蘭
「週刊朝日別冊 記録文学特集号」1949(昭和24)年9月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,644 字 · 49 页
必要があれば、花世は百遍だって約束するでしょうし、破りもするでしょう……女子部じゃ、百五十人からのむずかしい方たちを、のぼせあがらせたり、冷やしたり、自由自在に扱っていたんですから、一人の女ぐらいで、感情の理路を誤るようなことはありませんわ。あんな場ちがいな娘に、どうこうしたなんていわれたら、花世は心外に思うでしょう。あんなにまでつき詰める女だと、洞察できなかったのは失敗でしたが、だから、気がついて、すぐおさめてしまったようでした……あの娘、なんといっていた? もう花世を恨んでいないといったでしょ」
「そういっていました。山川君に、うまくしてやられたわけですかね」
「お話を伺うの、忘れていたわ……ご用はなに?」
「……岩城のような、うるさいやつもいるんだし、新聞記者に突っつかれて、こちらの名が出るようでも困るから、もうすこし、ましな病院へやるほうがよくはないかと思って……お節介みたいだけど」
「それはどうも、わざわざ……でも、そんな手数をかけることはないのよ。放っておけば、自然に解決する問題なんです。医者は、この冬は越せまいといっているそうじゃないの。お聞きにならなかった?」