轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
「戦旗」1929(昭和4)年5月、6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,890 字 · 125 页
「幾ぼ? 二つもあったら不具だべよ。――お饅頭、お饅頭!」――急にワッと笑い声が起った。
「この前、竹田って男が、あの沖売の女ば無理矢理に誰もいねえどこさ引っ張り込んで行ったんだとよ。んだけ、面白いんでないか。何んぼ、どうやっても駄目だって云うんだ……」酔った若い男だった。「……猿又はいてるんだとよ。竹田がいきなりそれを力一杯にさき取ってしまったんだども、まだ下にはいてるッて云うんでねか。――三枚もはいてたとよ……」男が頸を縮めて笑い出した。
その男は冬の間はゴム靴会社の職工だった。春になり仕事が無くなると、カムサツカへ出稼ぎに出た。どっちの仕事も「季節労働」なので、(北海道の仕事は殆んどそれだった)イザ夜業となると、ブッ続けに続けられた。「もう三年も生きれたら有難い」と云っていた。粗製ゴムのような、死んだ色の膚をしていた。
漁夫の仲間には、北海道の奥地の開墾地や、鉄道敷設の土工部屋へ「蛸」に売られたことのあるものや、各地を食いつめた「渡り者」や、酒だけ飲めば何もかもなく、ただそれでいいものなどがいた。青森辺の善良な村長さんに選ばれてきた「何も知らない」