轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
「戦旗」1929(昭和4)年5月、6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,890 字 · 125 页
結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて流れていた。が、所々その砕けた氷が見る限りの大きな集団をなして、あぶくを出しながら、船を見る見るうちに真中に取囲んでしまう、そんなことがあった。氷は湯気のような水蒸気をたてていた。と、扇風機にでも吹かれるように「寒気」が襲ってきた。船のあらゆる部分が急にカリッ、カリッと鳴り出すと、水に濡れていた甲板や手すりに、氷が張ってしまった。船腹は白粉でもふりかけたように、霜の結晶でキラキラに光った。水夫や漁夫は両頬を抑えながら、甲板を走った。船は後に長く、曠野の一本道のような跡をのこして、つき進んだ。
川崎船は中々見つからない。
九時近い頃になって、ブリッジから、前方に川崎船が一艘浮かんでいるのを発見した。それが分ると、監督は「畜生、やっと分りゃがったど。畜生!」デッキを走って歩いて、喜んだ。すぐ発動機が降ろされた。が、それは探がしていた第一号ではなかった。それよりは、もっと新しい第36号と番号の打たれてあるものだった。明らかに×××丸のものらしい鉄の浮標がつけられていた。それで見ると×××丸が何処かへ移動する時に、元の位置を知るために、そうして置いて行ったものだった。