轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
「戦旗」1929(昭和4)年5月、6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,890 字 · 125 页
十四、五の雑夫に漁夫が何か云っているのだった。何を話しているのかは分らなかった。後向きになっている雑夫は、時々イヤ、イヤをしている子供のように、すねているように、向きをかえていた。それにつれて、漁夫もその通り向きをかえた。それが少しの間続いた。漁夫は思わず(そんな風だった)高い声を出した。が、すぐ低く、早口に何か云った。と、いきなり雑夫を抱きすくめてしまった。喧嘩だナ、と思った。着物で口を抑えられた「むふ、むふ……」という息声だけが、一寸の間聞えていた。然し、そのまま動かなくなった。――その瞬間だった。柔かい靄の中に、雑夫の二本の足がローソクのように浮かんだ。下半分が、すっかり裸になってしまっている。それから雑夫はそのまま蹲んだ。と、その上に、漁夫が蟇のように覆いかぶさった。それだけが「眼の前」で、短かい――グッと咽喉につかえる瞬間に行われた。見ていた漁夫は、思わず眼をそらした。酔わされたような、撲ぐられたような興奮をワクワクと感じた。
漁夫達はだんだん内からむくれ上ってくる性慾に悩まされ出してきていた。四カ月も、五カ月も不自然に、この頑丈な男達が「女」