轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页

青空文庫

少女趣味ね」

礼子の目は怒りに燃えたが、記代子は冷静に見返して、目にこもる微笑は微動もしなかった。

「英雄気どりの偉い人、偉い人を崇拝する人、どっちも、きらい。子供たちと同じように、お人よしで、ウヌボレが強いのよ。欠点を見せたがったり、欠点を美点のように見せたがったり、みんな、きらい。偉くない人はウヌボレ屋じゃないから、欠点は隠さなければいけないと思うのよ。それで、いつもお化粧しなければいけないと思うのよ」

記代子はいくらか亢奮して口をつぐんだ。それは言葉の表現が思うようにできないためのようにも見えた。グラスをほして、

「でましょう」

青木をさそって、立ち上った。

「いかほどですの」

「ここは、いいの」

記代子は笑って、

「そんなこと、なんにもならないことよ」

「まア、いいさ。ぼくの昔の奥さんの思うようにさせてあげたまえ」

「そのワケがあるの?」

「物事の本当のワケは誰にも分りゃしないのさ」

今度は青木が記代子を押して外へでた。

五

「どうして、お金払わせなかったの? なぜよ」

外へでても、記代子はきいた。ただごとならぬ面持に、青木は苦笑して、

「つまり、ぼくの昔の奥さん、ぼくをあわれんだのさ。