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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
あなたは人の噂など気にかけませんね?」
放二はかるくうなずいた。
「人間て、どうして人のことを、あれこれと、憶測したがるのでしょうね。自分のことだけ考えていればいいのに」
せつ子は退屈しきった様子で、そう呟いたが、机上から一通の封書をとりあげて、
「これは大庭先生が記代さんの下宿の人に差上げるお手紙。この中には、あなたのことが書いてあるのです。記代子さんのお部屋の捜査をあなたに命じたから、部屋へあげて自由に探させてあげて下さい、ということが書いてあります。あなたは記代子さんのお部屋に行先を知らせるような何かゞないか探すのです。又、お友だちの住所とか、捜査の手がかりになりそうなものを見つけてらッしゃい。意外な事実を発見しても、捜査がすんだら、忘れなくてはいけません。記代子さんが失踪したことも、忘れなくてはいけません」
放二はアッサリうなずいた。長平は笑いだした。
「ずいぶん器用なことを命令したり、ひきうけたりするもんじゃないか」
放二も笑ったが、
「むしろ、いっと簡単なことなんです」
「ふ。君はそんな器用な特技があるのかい」
放二はそれには答えなかった。
「では、行って参ります」