轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ルミ子はよく眠っている。目をさます気配もなかった。
部屋の片隅にころがっているルミ子の日記帳をとりあげて、ひらいてみると、誰々にタテカエいくら、誰々からカリ、誰々から返金。日記の文章はどこにもなくて毎日の記事は貸借のメモだけだった。
その日の午には、長平自身の女のことで、ヤッカイな会見があるのである。放二のような無垢な青年に女出入りの交渉などさせたくないので、不便を忍んで長平ひとりで捌いてきたが、今日からは放二にも手伝ってもらうことにしようかと長平は考えた。
恋にあらず
一
正午ごろ、長平は放二をつれて、銀座の中華料理店へ行った。
すこしおくれて、青木音次郎がきた。若いのに一クセありそうなカバン持ちをつれている。
「この選挙に立たされそうでね。郷里の有志にしつこく推されてるんだ。青年層の七割まで棄権するそうでね。ぼくがでると、その半分ぼくに入れる、まア、棄権防止さ」
いきなり、こう云って、高笑いした。
長平は呆れて旧友をうちながめた。おろしたてのギャバジンの背広をきている。当節、新調の背広は目立つものだ。彼のは二十代がきるような明るい紺の、ピンとはった肩には仕掛けがありそうな、ショオウインドウの洋服と向い合っているようだった。