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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
疑えばキリがなかった。
放二は、疑うよりも、信じることが大切なのだと思った。人の意志というものは、不変でもなく、性格的なものでもない。自分の悪意や善意に応じて、相手の覚悟もネジ曲るものだ。人をとやかく思うよりも、結局、大切なのは、自分自身の善意だけだ、と放二は思った。そして、人間というものは、所詮、他人の心をどうしうるものでもない。自分にできることは、自分の心だけであり、自分の善意を心棒として、それに全的に頼る以外に法はないと考えた。
「わかりました。では、ぼくの目に映じたありのままを帰って報告いたします。そして、その結果、こちらへ御報告すべきことがありましたら、また、参上させていただきます」
エンゼルは安堵と感謝を端的にあらわした。
「あなたという人を得たことは、ぼくらには千万の味方にまさるよろこびですよ。記代子のために、力になってあげて下さい」
放二はうなずいた。そして、立上って、記代子に言った。
「下宿の荷物をこちらへ運びましょうか。さしあたって、必要なものがありましたら、なんなりと命じて下さい」
「ええ、こんどいらッしゃる時までに、必要なものを書きだしとくわ」