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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
ストレプトマイシンも買える。入院して整形手術もできそうだ。転地して、元気を恢復して戻ってくることも、不可能ではないかも知れない。しかし、そうまでするハリアイが、どうしても起らないのであった。
十万円に淡白なのは、生命の蔑視から来ているのかも知れないが、それもミジメな話である。誰も好んで己れの生命を蔑視する筈はないのである。外部的な何かが、それはいろいろのからみあった何かであるが、それがアキラメを与えているのであろう。
「お前、健康になりたいと思うか」
こう自ら問うてみる。いろいろの考えのあとで、彼はこう答えを出した。
「このまま。そして、それから、なるがままに」
病気ということは一応忘れて、他のことに目的をおき、そして病気はなるがままにまかせようと結論はだしていた。深く考えれば、自分のことは何も分らないばかりである。
「ヤ。これは、これは」
エンゼルは大そう恐縮そうに十万円を受取った。わざと一枚ずつバカ丁寧に算えて、
「たしかに拝借いたしました」
金を手にしているエンゼルは銀行員のように律儀な物腰に見えた。
すると記代子は、放二から借金するエンゼルを見るのがつらいらしく、