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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页

青空文庫

彼はほぼ全てのことを知っていた。

長平は放二のとこへイトマを告げにでかけた。

「どうだい。いっそ、御一統に自由に解散を願ったら。一葉落ちて、秋来れりさ。一葉ずつ、妙な落ち方をさせない方が、サッパリしてよかろう」

こうズケズケ言うと、放二は笑って、

「先生は貧乏人の心境をお忘れですね」

「そうかい」

「宿がないということと、タヨリがないということは、やりきれないことなんです。ギリギリのところへきてしまえば、自然に何とかなるものですが、さもなければ、解散しても、結局ここを当てにすると思います」

「なるほど」

「人間は、すすんで乞食にはなれないのですね。三日やればやめられないと分っていても」

「なるほど。秋がきても、気にかからなければ結構さ。じゃア、帰るよ」

「御元気で。長らく有りがとうございました」

長平が離京するとき、ルミ子が送ってきた。

「いい加減で帰りたまえ。別れ際の時間は短いほどよろしいものだよ」

長平が彼女を帰らせようとすると、

「セッカチね。私の方が大人だなア。一度、手紙を差しあげるから、忘れないでね」

ノンビリ手をふって、二人は別れた。

新しい風

一