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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
と、青木は放二の死を批評した。彼は元来、放二の生き方を高く評価していなかった。
「彼はアプレゲールの逆説派にすぎんですよ。ロシヤ的ストイシズム、特にドストエフスキーの安直な申し子さ。白痴的善意主義の亡魂、悪霊というもんですよ。彼の夢とセンチメンタリズムに安直に合致するような現実が、焼跡の日本にはやたらに有りやがったんだね。それがそもそも、マチガイのもとさ。彼をして安直に英雄的自尊心を満足せしめるに至ったのですよ。それにしても、チンピラ、アンチャンの英雄主義にはまさるけれども、戦後続出のイミテーションの一つには相違ないですよ」
彼の評価は残酷であった。
「あんまり、口はばッたいことは言えないがね。ぼくとて何かしらのイミテーションかも知れないが、とにかく、長さんや、ぼくは迸ったですよ。時に停滞しても、時に迸ったです。北川君の一生は迸ったことがないね。激発をひそめた静寂でもなかったね。読書と、読書の裏返しの静かさにすぎないやね。彼にくらべれば、ぼくの生涯はマシですよ。彼は幸福に死んだ。これをぼくはこの上もない道化芝居と見るが、いかがですか」
青木は放二がキライではなかった。