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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
御返事をいたゞいてくるように仰有ってましたの」
と、手紙を渡した。
三
放二からの手紙は、青木のことであった。せつ子が来るものと思って、朝からズッと放二の社に詰めきっていることが書かれていた。
せつ子は忘れていた男のことを思いだして、ちょッと不快を覚えたが、気にかけるほどのことではない。
せつ子はこれまでに青木から八十万円ほど出させている。自分で二百万都合するから、青木には三百万都合して、と頼んだ。五百万耳がそろわなくとも仕事に着手できるが、八十万じゃ、着手どころか、事務室もかりられない。
宇賀神の方がトントン拍子にいってるから、青木はもう用のない存在であった。ただ苛立たしいのは、忘れた男、用のない男が、なんの因果か、放二と仲よくしていることだ。
せつ子は手紙をよみおえて、
「青木さんには私が帰京したことナイショにしてほしいわ。二三日帰京がおくれるッて電話があったことにして」
「小ッちゃな雑誌社でしょう。応接室も社長室もないんですの。編集も業務も小ッちゃな一室にゴチャまぜ。青木さんの目の前に電話があるんですから、こんな電話がありましたッて、ちょッと云いかねると思います」