轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うらぎり
裏切り
「新潮 第五一巻第九号」1954(昭和29)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,343 字 · 70 页
ともかく小夜子サンが単純な死の道づれにすぎなかったことは確かです。
取調べをうけたセラダはまだ証拠があがらなかったのか放免されて、その足でさっそくウチへやってきました。このドサクサに自動車を売りとばす必要があったらしく、テクでやって来ましたが、その翌日の夕方にはもう別の立派な自動車で乗りつけて、例によってブーブーとやけに鳴らしておいてから重々しく乗りこんできました。
セラダはいよいよ金につまったらしく、どこかに隠しておいた貴金属類十ポンドほどを法本の事務所へもちこんで現金にかえてくれるようにたのんだそうです。
「まさか日本で仕事をした品物じゃないだろうね」
と法本がききますと、セラダはニヤリと笑って、それには答えず、
「ネエ、腕ききの若い社長サン。ボクと日本でコレやらない? キミ相手みつける。ボク、やる。フィフティ、フィフティ(半分半分)」
ホンモノのピストルをとりだしてギャングのマネをしてみせたそうです。
このときすでに法本は彼が法によって死の崖にまで追いつめられているらしいのを日野の報告で聞いていました。まさか、とタカをくくっていたわけでしたが、この一言にただならぬ何かがこもっているのを見て、さては根のない噂ではないと直感したとのことです。