轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うらぎり

裏切り

坂口 安吾

「新潮 第五一巻第九号」1954(昭和29)年9月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,343 字 · 70 页

青空文庫

トオサンのおどろきたるや甚大でした。何よりも「おのが罪」の自覚にうちしおれてしまったようです。ぼくはこう慰めてやりました。

「誰の罪でもありませんよ。人間はこんなものかも知れませんな。変に甘やかすより、こうしてキマリがついたあとで、いくらかでも利口にと世話をやく方がハリアイがありますよ」

「そうだな。たしかに、人間はそんなものだ」とトオサンは変に決然と云いました。「こうしてみんなが茶のみ友達になるんだ。こうしてみんなが。そうだとも。どうしても、がんばらなくちゃアいけねえ。人間はもともとこうしたものなんだ。だがな。これだけのものだと思うと、まちがいだぞ。一寸の虫にも五分の魂と云うじゃないか。五分の魂は虫にもあるんだ。そうだとも。がんばらなくちゃアいけないのだぞ、人間はな」

ちょッと勇み肌めいたところがタヨリなくはありましたが、それはまたちょッと神々しいものでもあったのです。悲憤のマナジリを決せんばかりの形相でした。思えば中部山脈をつきぬけて日本海へでて以来、ずッと格闘つづきのあとにまたこれですから、悪鬼とでも組打ちを辞しないほどの闘魂もあふれたろうというものです。