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みおとされているきゅうしょ
見落されている急所
宮本 百合子
文学と生活との関係にふれて
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,006 字 · 10 页
」
そのような自分の焦燥の姿をも認めながら、それをひっくるめてこれまでの全生活経験を文学修業にとっては「実に長い長い道程であった」のを感じ、「女性らしい一くさりの插話さえもない誠に殺風景な苦闘史」であったと見ている。そして、
「私はここでも、芸術の道すらも――或いは芸術の道であるためより深刻に――生活に困らない人間でなくては、とうてい出来ない仕事であると痛切に感じさせられた」と感慨しているのである。
私は、この随筆の作者が、文学修業の実際にとっては大した価うちとなるものを現実生活において見のがしながら、何か抽象的な情熱で、書かなければ、書かなければ、と日夜追いたてられているところに、誤って導かれた文学に対する理解の酸鼻を感じたのである。
『婦人文芸』の「裏切る者」というこの作者の一幕物は作品としては全くの習作であった。謂わばまだ全体がトガキのようなものだとも云えるであろう。しかしながら、作者はその習作においてがんこな農村の親族間のごたごたと、工場監督にはらまされてかえって来た千代という娘の悲惨を描こうとしている。千代に、「私……私がわるいんじゃないんです。