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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
在线阅读泉 鏡花《註文帳(ちゅうもんちょう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,770 字 · 67 页
「希代だわねえ。」
「やっぱり何でございますかい、」と作平はこれから話す気、振かえて、荷を下し、屋台へ天秤を立てかける。
捨吉はぐいと三挺、懐へ突込みそうにしたが、じっと見て、
「おッと十九日。」
という処へ、荷車が二台、浴衣の洗濯を堆く積んで、小僧が三人寒い顔をしながら、日向をのッしりと曵いて通る。向うの路地の角なる、小さな薪屋の店前に、炭団を乾かした背後から、子守がひょいと出て、ばたばたと駆けて行く。大音寺前あたりで飴屋の囃子。
紅梅屋敷
六
その荷車と子守の行違ったあとに、何にもない真赤な田町の細路へ、捨吉がぬいと出る。
途端にちりりんと鈴の音、袖に擦合うばかりの処へ、自転車一輛、またたきする間もあらせず、
「危い、」と声かけてまた一輛、あッと退ると、耳許へ再び、ちりちり!
土手の方から颯と来たが、都合三輛か、それ或は三羽か、三疋か、燕か、兎か、見分けもつかず、波の揺れるようにたちまち見えなくなった。
棒立ちになって、捨吉茫然と見送りながら、
「何だ、一文も無え癖に、」
「汝じゃアあるまいし。」
「や、」
「どうした。」
「へい、」
「近頃はどうだ、ちったあ当りでもついたか、汝、桐島のお消に大分執心だというじゃあないか。