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はなしにきいたこんどういさみ

話に聞いた近藤勇

三田村 鳶魚

「日本及日本人」1930(昭和5)年10月1日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,503 字 · 15 页

青空文庫

ただぶらぶらしているものということではない。この差別は、幕末においては、ほとんど滅茶苦茶になっておりまして、誰でも構わず刀をさして、浪人ともいえば浪士ともいうありさまであったのです。清河が集めた浪士と申したところが、やはり浪士・浪人の区別はないので、百姓もあれば神主もあり、博奕打もある。小泥坊さえあったのであります。従来刀をさしていなかった者どもが、この募集に応じて、はじめて刀をさすというものも大分ありました。清河八郎はその発頭人でありましたが、その人も武士ではなくって、奥州の百姓の子でありました。ですから藩というような足溜りもなく、殿様という背景もないので、志を当世にほしいままにしようとしてもやり方がない。そこで幕府を道具にして、自分の考えを世の中に行おうという腹なのです。それからまた、当時尊王攘夷論、これは幕臣のうちにも、諸大名の手を借りずに幕府自身攘夷を決行すれば、それでよろしいのである。そうすれば何も諸大名から騒がれるようなことはない。幕府の当局があまり因循姑息だから攘夷が出来ないのだ、と考えているものもありました。そういう機会でありましたから、清河は攘夷論をもって、幕府側に割り込んでゆこうとする。