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はなしのたね

話の種

寺田 寅彦

「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页

青空文庫

この内ほとんど三分の一はアフリカの南部から、また四分の一は北米合衆国およびアラスカから出たのだそうな。ついでにアメリカ発見以来去る明治三十三年までに該地で採った金の価額を見積ってみると二百五十億円ほどになるという。

樹木と遺伝

樅などの種子を播いてその生長の遅速を試験してみると、低い土地から取って来た種子の方が高地から取ったのに比してよほど生長が早いという事がスイスやオーストリー辺で確かめられた。なお一般に種子の重さや生長期の長短あるいは病にかかりやすい度などもその種子を採った母樹の土地によほど関係するそうである。それでこういう樹の種子を選ぶには播種すべき土地に応じて適当な処の産を用いねばなるまいという事を論じている人がある。但し樅の外の樹木にも同様の事があるかどうかは、まだよくわからぬようである。

(明治四十一年三月十九日『東京朝日新聞』)

六十七

新しい魔睡剤

塩化エチールを魔睡剤に使用せんと試みた人がある。その近頃に発表した論文によると、この薬剤に酸素を混じて試験用の動物に吸入させてみたが一時間ほどごく安静に魔睡し、睡りからさめる時も速やかに醒め切って、エーテルやクロロホルムのようにさめ際の悪いようなことがなかったそうである。