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いかにどくしょすべきか

読書と人生

三木 清

三木清『読書と人生』。同一底本的分册已合并为一书。收入:如何に読書すべきか、軽蔑された翻訳、書物の倫理、西田先生のことども、ハイデッゲル教授の想い出。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,486 字 · 57 页

青空文庫

私はそこで時々古本屋へ行って勉強するように勧めたい。本の夜店を見て歩くことなどもよい。箱入の新刊書のときにはどれもこれも同じように見えたものがここでは既にその間に区別ができている。絶版になって原価よりも高くなっているものもある。古本屋の陳列棚を見ておれば、どのような本が善い本であるかが誰にも自然に分るようになる。書物の良否についての鑑識眼は銘々の見地からその間におのずから養われる。古本屋を時々覗くということは読者にとってのひとつの修養である。それは出版業者にとっても多く参考になることではなかろうかと思う。著者にとっては尚更のことだ。書物の倫理は古本屋において集中的に現われている。あらゆる本は古本屋において性格化している。これはもちろん値段の点からのみ云われることではない。ところで書物に対する著者の倫理とは如何なるものであろうか。フロベールがまた書いている「多く読み、多く想わねばならぬ、つねにスタイルのことを考えそして出来るだけ少く書くようにせねばならぬ、ひとつの形式をとることを求め、そして我々がそれの厳密正確な形式を見出すに至るまでは我々のうちで他の意味に変るイデーの激動を鎮めるためにのみ書くようにせねばならぬ」