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いかにどくしょすべきか

読書と人生

三木 清

三木清『読書と人生』。同一底本的分册已合并为一书。收入:如何に読書すべきか、軽蔑された翻訳、書物の倫理、西田先生のことども、ハイデッゲル教授の想い出。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,486 字 · 57 页

青空文庫

先生はたいへんな勉強家である。七十歳を越えられた今日なお絶えず新しいものを勉強されているのである。勤勉が思想家の重要な徳であるということを私は先生から学んだ。哲学者と称する者の陥り易い瞑想癖から彼を救い、その瞑想を思索に転じ、思索のうちに瞑想的なものを活かさせることができるのは勤勉である。先生は非常な読書家でもある。絶えず外国の哲学界に注意し、新刊書なども広く読まれているようである。先生は西洋哲学輸入後日本において初めて独創的な哲学を組織された方であるが、また西洋の哲学で先生の手によって初めて我が国に紹介されたものも尠くない。ベルグソンの哲学、リッケルトやコーヘン等の新カント派の哲学、ブレンターノやマイノングなどの独墺の哲学、フッサールの現象学などからバルトの弁証法的神学などに至るまで、先生はその最も有力な紹介者であった。またライプニッツを初め、先生によってその新しい意味を発見されて、我が国に普及するようになった西洋の哲学者も多い。先生の読書研究の範囲は広く、私どもの学生時代には、コーヘンなどの影響もあったのであろう、数学をよく勉強していられたようであった。