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いかにどくしょすべきか
読書と人生
三木 清
三木清『読書と人生』。同一底本的分册已合并为一书。收入:如何に読書すべきか、軽蔑された翻訳、書物の倫理、西田先生のことども、ハイデッゲル教授の想い出。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,486 字 · 57 页
先生の哲学はその闇を照し出そうとする努力であり、その闇の中から出てくる光である。その闇が深ければ深いほど、合理的なものに対する要求も烈しいであろう。先生の哲学は単なる非合理主義でないと同様、単なる直観主義でもない。それは飽くまでも合理的なもの、論理的なものに対する烈しい追求である。闇の中へ差し入る光は最も美しい。先生の哲学の魅力も、先生の人間的魅力も、この底知れぬ闇の中から来るのである。四高の教授をしていられた時代、先生はずいぶんロシヤの小説を読まれたように聞いている。今でも先生はドストイェフスキーが好きで、深く共鳴されるものがあるようである。それは単なる神秘主義ではない。先生のいわゆる「歴史的物質」の問題である。
三
先生が論文を書かれる時には、毎日きまって朝の間に二三枚ずつ書いてゆかれるということである。それは長篇作家が小説を書いてゆく仕方に似たところがある。実際、先生は創作家と同じような気持で論文を書かれるのではないかと思う。毎日きまって少しずつ書いてゆかれる先生の論文はまた先生の思索日記でもある。それには始めがないように終りもない。