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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页

青空文庫

村の人達は天狗だときめてしまいました。

ところで、いくら天狗だからといって、そのまま放っておくわけにはゆきません。村の人達はいろいろ相談して、その天狗を捕まえようとしました。

が、なかなかそうはまいりませんでした。戸の隙間からでもはいり込んできて、音も立てずにごちそうをさらってゆくほどの天狗ですもの、自由自在の術を知っていて、人間の手に捕まるものではありません。村の人達は、網を張ったり、罠をこしらえたり、棒を持って待ち構えたり、いろんなことをしましたが、何の役にも立たないで、毎晩どの家かでごちそうをさらわれてばかりいました。

二

ところがこの村に、たった一人のなまけ者がいました。ひとり者の爺さんで、お金があれば酒ばかり飲んでいて、貧乏なくせにいつものらくらして遊んでいました。大変酒好きなので、猩々というあだ名をつけられて、あまり人から相手にされませんでした。

この猩々爺さんが、天狗のことを聞いて、どうか自分が引っ捕えて皆をあっと言わしてやりたいものだと、酔っぱらいながら頭を振り振り考えていますと、酒が手伝ったせいか、素敵なことを考えつきました。