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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页

青空文庫

も、米や芋の買い入れのために、たいへんなお金を使ったので、すぐに足りなくなりました。おもだった人たちのうちには、きのどくがって、お金をいくらかでも出そうという者もありましたが、多くは、はじめの失敗にこりて、だまっていました。

そこで、顔長の長彦は、三日三晩、考えつづけて、弟にいいました。

「たくさんの貧しい人たちのためになることだから、私は決心をした。大津の町のお金持で、この屋敷を売ってくれるなら、お金はいくらでも出そうという人がある。それも、こちらでお金ができたら、いつでもまた買いもどしてよいという約束だ。だから、一時、この屋敷をお金にかえたいと思うが、どうだろうか」

顔丸の丸彦は、野原や山をとびまわることがすきで、家や屋敷などはなんとも思っていませんでしたから、すぐに答えました。

「そうです。お金にかえておしまいなさい。またあとで、買いもどせばよろしいでしょう」

それで、すぐに話はきまりましたが、ただ一つ、困ったことがありました。

その屋敷の庭のかたすみに、大きな梅の木が一本ありました。その梅の木について、ふたりのお母さんが、亡くなる時、ふたりを枕もとに呼んで、くれぐれもいい残したことがありました。