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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页

青空文庫

そのうちに、猿は踊をすましました。そして、風呂敷包みからお米を一つかみ取り出して、片方の手でそれを指さしながら、しきりに頭を下げています。「お米を下さい」と言ってるようなようすです。

家の人はそれを悟って、米を少し持って来てやりました。猿は風呂敷を広げてそれをもらい取ると、何度も嬉しそうにお辞儀をしました。それから、また別な家の方へやって行きました。子供達はおもしろがってついて行きました。

次の家でも、猿は同じことをして、お米をもらいました。そういうふうにして、何軒か廻って風呂敷にいっぱい米がたまると、猿はそれを抱えて、一散に走り出しました。子供達も後を追っかけましたが、猿の足の早いの早くないのって、またたくうちにどこへ行ったか見えなくなってしまいました。

二

不思議な猿の噂は、たちまち村中の評判になりました。

「どこから来たんだろう。……どうしたんだろう。……何だろう。……不思議だな」

けれど誰一人としてその猿を知ってる者はありませんでした。

ところが、その翌日になると、またひょっこりとその猿がやって来ました。やはり赤い布と鈴とをつけ、小さな風呂敷包みを持っていました。