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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
なおよく見ると、杉の木の下には、髪の毛も髭もまっ白な爺さんが、毛布にくるまってござの上に寝ています。
若者はあっけにとられましたが、やがて我に返ってみると、それこそまさしく、老人達から聞いた猿爺さんとその猿とに違いありませんでした。
「そうだ、そうだ」
若者は嬉しくなって、爺さんのところへ走って行きました。
「猿爺さんじゃありませんか」
爺さんは、にっこり笑って若者を迎えました。
「とうとう見付かったかな。……猿めがあんたの村でいかいお世話になったそうで……」
そこで若者は、村中大騒ぎをして爺さんを探してることや、病気なら村に来て養生するがいいということなどを、熱心に言い立てました。
爺さんは頭を振って答えました。
「いや、この上あんたの村の人達に世話をかけてはすまん。それに、ここにこうして寝ている方が、結局わしには気楽だからのう。……まあちょっと、あの泉の水を飲んでみなされ」
そこで若者は、何の気もなく泉の水を一掬いして飲んでみますと、びっくりして眼を白黒させました。おいしいの何のって、蜜と氷砂糖と雪とをまぜたようなたまらない味でした。
「わしがここまで来かかるとな」