轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふしょうしたせんろとつき
負傷した線路と月
小川 未明
「赤い鳥」1925(大正14)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,078 字 · 9 页
そのことを月に向かってお話しなさい。月は、あなたが訴えなされたら、けっして悪いように取りはからいはしなかろうと思います……。」と、雨は静かな調子でさとしてくれました。
はたしてほどなく雲が去り、そして降っていた雨は晴れてしまいました。あとには、すがすがしい夕空が青々と水のたたえられたように澄んで見えました。
その夜、平原を照らした月は、いつも見る月よりは清らかで、その光のうちには、慈悲の輝きを含んでいました。やさしい花は、雨にぬれたままうなだれて、早くから眠ってしまい、そしてその葉蔭のあたりから、虫の泣く声が流れていました。
去っていった雨は月にささやいてでもいったものか、月が、この平原を照らしたときは、まずレールの上に、その姿を映しました。レールは、月に向かって、今日、自分を傷つけていった汽罐車があったことを告げたのであります。
「どんな汽罐車であるかしれないけれど、そんなことをしてしらぬ顔をしているとは冷酷な汽罐車である。私がいって不心得をさとしてやるから、もし見覚えがあったら聞かしなさい。」と、月はいいました。
レールは、汽罐車の番号を教えました。