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ひんみんくらぶ

貧民倶楽部

泉 鏡花

「北海道毎日新聞」1895(明治28)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,333 字 · 111 页

青空文庫

何がお前様、翌が日のことを構うていられるようなこちとらではござらぬじゃて。腹が立つまいことか、御察しなされませ。内に寝ていてさえ空腹うてならぬ処へなまなか遠路を歩行いたりゃ、腰は疼む、呼吸は切れる、腹は空る、精は尽きる、な、お前様、ほんにほんに九死一生で戻りやしたよ。老人の謂うことと牛の尻の何とやらは外れぬげな、これからも有ることじゃで、忘れてもああいうことはなされますな。明日一両下さるより今の一厘半が難有い儀にござる。ほんのことさ、お前様、なろうならば米よりは御飯を下さいやし、御飯よりはまた老人にはお粥が好うござる。何のこれ、嘘は申しませぬ。有りようの処は初鰹を戴いてから煮て食うわけには参りませぬじゃ。実にはや因果でござる。はいはい南無阿弥陀仏。」と長談議、何を云うやら他愛無し。

門衛の持余すを見て、微笑を含みたるお丹乞食、杖をもって門の柱を、とん。「同宿、構わずに、しけ込めしけ込め。」

「うむ、合点だ。」

急先鋒の屠犬児、玄関へ乱入する、前面を立塞ぎて喰留むるは護衛の門番、「退れ、推参な!」というをも聞かず、無二無三に推込めば、

「ええ、此奴等。