轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちょうかきんむ
超過勤務
山本 周五郎
「文藝朝日」朝日新聞社、1962(昭和37)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,619 字 · 31 页
「あちしもうオールモスト・エイティーンよ、失礼なおじさま」少女はおじさまを気取った鼻声で云った、「あなたこそご存じないんでしょ、あちしおじさんが知らないってほうに賭けるわ」
「天皇制で育ったからね」
「教えてあげようか」少女は猜るそうに彼の顔色をうかがう、「――そうら、隠してもだめ、教えてもらいたいって、ちゃんと顔に出ているわ」
彼は帳簿に向き直って伝票を繰った。
「へえーほんとだ」と少女が云った、「みんながおじさんのこといじらしい堪忍袋って云うけれど、そうしているところを見るとぴったりだわ」
「よさないか、本当に怒るぞ」
少女はくすっと笑い、すばやく側へ寄ると、彼の耳へ口を近づけた。ペッティングっていうのはね、とささやいたあとは、なにを云っているのかまったく聞こえなかった。彼は初めだらしのない微笑をうかべていたが、少女のささやきが進むにつれてその微笑がちぢまり、表情がしだいにこわばっていった。
「これでフィン」やがて少女は彼からとびのいた、「わかったでしょ」
「あきれたもんだ」と彼は云った、「みんなそんなことをするのかい」
「個人差はあるでしょ」